ESG(環境・社会・ガバナンス) | キャピタル アセットマネジメント株式会社
ESG(環境・社会・ガバナンス)ESG(環境・社会・ガバナンス)

ESGとは

  • ESGは企業を非財務面から分析する時に使用する尺度のこと
  • 会社活動を多面的に評価し、企業が提供する製品・サービスが実際に地域社会及び国際社会にとってどれぐらいの付加価値を提供したのかを分析する。
  • 企業活動は様々ですが、この非財務面の分析については世界共通の3分野がある。(環境、社会、企業統治)
 

企業におけるESG対応

企業活動は利益を産み出すためにある。
利益が高い企業は最終消費者に支持される良い商品(E)を提供できるようになったのは、熱心な従業員(S)に支えられる必要があり、良いサプライヤー(G)の協力で最適なサプライ・チェーンを維持できる企業が競業企業より大きいマーケット・シェアーを獲得できる。

 

ESGは企業行動の分析である。

今日の行動が将来の結果を左右するため、ESGが企業の持続成長指標として使用し始めました。

 

ESG投資とは

将来の企業価値の成長と関連性が高い
『 環境対応(E)、社会責任(S)、企業統治(G)』
に対する経営的取り組みを評価・分析することで銘柄選択し投資する

  • 環境対応 : 製品や生産プロセスの環境への負荷度合い 、水資源保護etc.
  • 社会責任 : 地域社会貢献、女性活躍推進、労働環境改善、サプライチェーンのリスク管理etc.
  • 企業統治 : 取締役会の構成、取引の透明性、汚職防止、株主権利の確保etc.
 

- ESG投資の変遷 -

2005年 世界の主要21機関投資家(ノルウェー政府年金基金、カリフォルニア州職員退職年金基金等)がアナン国連事務総長(当時)の呼びかけに対して、世界の持続可能な発展のために投資判断に環境・社会・ガバナンスを視点とする原則を公表
2006年 国連責任投資原則(UN-PRI)が発足して、長期的な投資収益の向上とリスク低減のために『ESG』が投資プロセスに反映される
2008年 欧州の機関投資家を中心に362機関がPRIに署名
2014年 『ESG投資』が世界的に急速に普及、1251機関がPRIに署名
2015年 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF) がPRIに署名
 
  • 持続可能(サステナブル)な投資手段として広く活用されている
  • ESG投資先進国の欧州では運用資産の50%以上がESG投資である
  • 欧米の投資信託におけるESG運用残高は高い伸びを示す
 

ESGに関するQ&A

question 『ESG』とは何でしょうか?
answer E(Environment : 環境)、S(Social : 社会)、G(Governance : 企業統治)の頭文字を取ったもので、これら3つの経営課題・要因に企業がどのような取り組み姿勢を見せているかを評価する判断基準です。

question 『ESG投資』とは何でしょうか?
answer E(環境)、S(社会責任)G(企業統治)に関連した多面的な非財務情報を評価・分析して、持続的な企業価値の改善・向上を果たしている企業に選択投資します。ESGに配慮した経営を行い、相対的に経営マインドが強固な企業は、競争力、利益成長性が高いことから、長期的な投資リターンが期待されます。また、ESG評価の高い銘柄はROE(株主資本利益率)が高く、株価変動のボラティリティが低いことから、これらの銘柄を選別して組成した株式ポートフォリオはリスク低減効果に優れている、との実証研究も公表されています。

『ESG(環境、社会責任、企業統治)投資』が注目・評価されているのは何故でしょうか?
answer
  1. 中長期的な企業価値の向上に向けた課題の解決法としての必要性が増してきた取り組みのなかで、投資家への有効な情報開示や建設的な対話が求められています。
  2. 経営ビジョン、経営戦略、リスク認識、などの非財務情報の情報開示が問われています。
  3. そのなかで世界の投資家が重視してきているESG情報の分析・評価が重要となってきました。
  4. ESGへの取り組みに本腰を入れている企業は、そうでない同業他社と比べて本業にも熱心に適切に対応している。言わばESGへの取り組みは、企業経営の有効性・健全性を判断することが 可能な”リトマス試験紙”とみなすことが出来ます。
  5. ESGへの取り組みが、企業においては重要な経営改革の、投資家においては重要な投資尺度として認知されるようになり、評価される企業が中長期的な企業価値向上に見合った適切なプライシング(投資リターン)を上げるようになると予想されます。

question 『ESG投資』は欧米の金融市場でなぜ拡大したのでしょうか?
answer 欧米では『ESG(環境、社会責任、企業統治)投資』は“善”であるとの認識があります。
富裕層の個人投資家は、社会的に害悪を及ぼす悪い企業を排除する考えが一般的にあります。
投資企業の選別、リスク評価にもESG要因を当然取り入れるようになりました。

question 世界のESG投資の金額はどのくらいでしょうか?
answer 2016年の世界全体のESG関連投資金額は約23兆ドル(2,500兆円)、そのうち投資信託(Mutual Fund)の残高は2.5兆ドル(276兆円)と言われています。
地域別では、欧州が12兆ドル、米国が8.7兆ドル、カナダが1.1兆ドル、日本は0.5兆ドルの割合となっています。

(2016 Global Sustainable Investment Review統計)

question 日本国内でのESG投資残高はどのくらいでしょうか?
answer 国内機関投資家31社でのESG投資残高(2016年3月末)は56兆円で前年比2.1倍。うち、日本株投資残高は31兆円で同2.3倍(NPO法人:日本サステナブル投資フォーラム調査)。

question 『国連責任投資原則(PRI)』とは何でしょうか?
answer 2006年に公表された投資原則のことで、国連が機関投資家に投資プロセスのなかにESG評価を取り入れることで投資リターンの向上やリスク低減効果を意図したことが切っ掛けとなりました。
2017年1月時点で1650程度の金融機関が署名しています。

question E(環境)評価での主要項目は何でしょうか?
answer ①地球温暖化対応(低炭素) ②資源効率性 ③水資源保護 ④生物多様体 ⑤製品配慮の視点 などです。

question 世界の『社会的責任投資(SRI)』の金額残高はどの程度でしょうか?
answer 世界持続的投資連合(GSIA)が今年3月に発表した、世界の社会的責任投資(SRI)の残高は22.89兆ドル(約2500兆円)で、前回調査(2014年)から+25%増加しました。うち、欧州投資家の保有残高は12.04兆ドルで+12%増。米国は8.72兆ドルで+33%増。日本は4700億ドルで67倍と少額ながら伸び率は高まっています。

question 『社会的責任投資(SRI)』と『ESG投資』との違いは何でしょうか?
answer SRIは、欧米での、特に1920年代の米国における宗教的な投資規範の高まりから、反社会的な企業・事業(戦争、ギャンブル、タバコ、アルコール、薬物、人種差別etc.)への投資を忌避する倫理的な投資基準として普及してきました。社会から企業、投資銘柄への要望・要請が発展したのが『ESG投資』である、という意味では同種の投資規範かもしれません。しかし、SRIにおいて、E(環境)への配慮・取り組み、G(企業統治)への対応が加わって、多面的・重層的な経営目標と企業行動が求められるようになり、その対応の結果次第では同一業種のなかでも企業間格差が時間の経過とともに顕在化してきています。『ESG』の方が、総合的・網羅的な投資基準と評価することが出来るでしょう。

question S(社会責任)評価での主要項目は何でしょうか?
answer ①女性の活躍 ②従業員の健康 ③従業員への公平な分配 ④従業員の両立支援 ⑤人材育成体制 ⑥社会貢献性 などです。

question “女性活用”に積極的な企業、女性役員が多い企業の業績が好調な理由は何でしょうか?
answer 女性が働きやすく活躍できる職場環境、働き方改革に取り組んでいる企業は、①女性管理職・役員比率が高い ②残業時間が短縮 ③ 出産・育児の休業・復帰制度が拡充などの特性があります。その結果、創造的、効率的で明るくオープンな職場環境になり、人材採用、指導・育成、配置転換などでフレキシブルで多様なビジネス展開が可能となり、結果的に収益性・成長性の格差につながります。

日本は世界的にみて、“女性活躍”はどのくらい進展していますか?
answer
  1. 日本の男女格差ランキング(経済、政治、教育、健康面)は144ヵ国のうち111位と非常に出遅れています(世界経済フォーラム:2016年)
  2. 日本の女性(フルタイム勤務)の賃金水準は男性の73%。依然として乖離していますが、1976年以降では格差は最小となってきました(賃金構造基本統計調査:2016年)
  3. 日本の上場企業の役員に占める女性の割合は3.4%。それでも630人(2012年)から、1388人(2016年)と4年間で倍増しています。(内閣府:2016年)
  4. 日本の中堅企業(従業員100~750人)での経営幹部のうちの女性の比率は7%で36ヵ国中最下位。(グラントソントン:2016年)

question G(企業統治改革)評価での主要項目は何でしょうか?
answer ①情報開示 ②企業統治(取締役の構成) ③法令遵守体制 ④SCM(Supply Chain Management) ⑤知的財産権の対応 などです。

question G(企業統治改革)が進むと、投資家・株主にはどのような恩恵がありますか?
answer 企業が稼いだ利益のうちの株主還元(主として配当金)や、蓄積した資本を将来の成長の為の設備投資や事業・企業買収に有効活用出来ず、低利回りのキャッシュのままに無為に放置することが許されなくなります。ステークホルダー(外部受益者)からのチェックが厳しくなり、客観的な有効意見が経営に反映されやすくなり、企業の収益性や成長性の改善期待が高まります。

question 「コポレートガバナンス・コード(G)」が制定されたことで、どのような効果があるのでしょうか?
answer 企業経営・統治が厳格な体制となり、経営陣の不正行為を牽制・予防出来る効果が期待されます。企業価値の毀損リスクが低下します。従業員の勤労モチベーションが向上する効果があります。

question 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)のESG投資への対応を教えてください。
answer GIPFは2015年9月に「持続可能な開発目標(SDGs)」に署名しました。「ESGへの適切な対応が企業の持続的成長に資する」との考えに賛同して宣言を行っています。2016年7月には国内株式を対象とした『ESG指数』の公募を発表して、14社から27指数の応募がありました。2017年7月にESG投資を目的とした3つの株価指数連動の運用を始めたことが発表されました。6月までに1兆円程度の規模で投資をスタートしており、今後、3兆円規模まで拡大すると見られています。2017年は“ESG投資元年”になると期待されています。

question 日本の監督官庁での動向を教えてください。
answer 環境庁は2015年に「持続可能性を巡る課題を考慮した投資に関する検討会(ESG検討会)」を設置しました。その検討結果は、2017年1月にESG検討会報告書『ESG投資に関する基礎的な考え方』として公表されています。

  ESG検討会報告書『ESG投資に関する基礎的な考え方』(2017.01)

question 『ESG投資』にはどのような投資手法、評価アプローチがありますか?
answer 機関投資家が「議決権行使」を行うことはESG投資の一環です。ESGの観点により、一定数の銘柄群からポジティブ評価銘柄を絞り込む(「ポジティブ・スクリーニング」)、もしくはネガティブ評価銘柄を排除する(「ネガティブ・スクリーニング」)こともよく行われています。「ESGテーマ」から評価出来る銘柄群に集中投資するアクティブ投資のアプローチもあります。さらに、「ESG」の非財務評価に財務面からの定量評価を加味した、『ESGインテグレーション』という投資手法も進化をみせています。

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