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ベトナム初の自動車メーカー、ビンファスト;EV専業に旗幟を鮮明

情報提供資料

2022年1月28日

ベトナム初の自動車メーカー、ビンファスト;EV専業に旗幟を鮮明

米ラスベガスCES2022でビンファストは完全EV戦略を発表(写真提供:ビンファスト)

2022年1月、べトナムの複合企業最大手ビングループ傘下のビンファストは、米ラスベガスで開催された世界最大級の先端テクノロジー見本市「CES」で5車種の電気自動車(EV)モデルをお披露目しました。
同イベントで、5つの市場セグメント向けに「VF5」(セグメントA)、「VF6」(セグメントB)、「VF7」(セグメントC)、「VF8」(セグメントD)、「VF9」(セグメントE)を発表しました(VF8、VF9はロサンゼルスモーターショー2021年で発表の「VFe35」、「VFe36」を改名)。同見本市で、ビンファストの新任グローバルディレクターであるレ・ティ・トゥー・トゥイ氏は、ビンファストが2022年末までに完全にEVに特化すると旗幟を鮮明にしました。

ビンファストのEVモデル5車種(写真提供:ビンファスト)

ベトナム初の自動車メーカー、ビンファスト;EV専業に旗幟を鮮明

VF5

ベトナム初の自動車メーカー、ビンファスト;EV専業に旗幟を鮮明

VF6

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VF7

ベトナム初の自動車メーカー、ビンファスト;EV専業に旗幟を鮮明

VF8 (VFe35)

ベトナム初の自動車メーカー、ビンファスト;EV専業に旗幟を鮮明

VF9 (VFe36)

1月5日から予約を開始したVF8とVF9には自動運転機能も備わっており、それぞれの「Eco」と「Plus」仕様はレベル2+、「Premium」仕様はレベル3~4となっています。価格は、VF8が米国で4万1,000ドル~、欧州で3万6,133ユーロ~、ベトナムで9億6,100万ドン~です。一方、VF9は米国で5万6000ドル~、欧州で4万9,280ユーロ~、ベトナムで13億1,200万ドン~です。特設予約ポータルは、CES 2022で開催されるビンファストの「Global EV Day」イベント期間中の1月5日~4月5日まで、米国、ベトナム両市場で同時に開設されます。この間に予約した顧客は、同社独自のメンバーシッププログラム「VinFirst-Pioneer’s Gratitude to Pioneers」に自動的に加わることになります。さらにビンファストは車両搭載バッテリー維持費の全額もカバーし、充電容量が初期の70%以下になった場合に無償で交換に応じます。ビンファストによると、1月8日午前8時の時点(販売開始から48時間後)、同社はEVモデル2車種(VF8とVF9)に合計24,308台の注文を受けました。特に、ヘルスケア分野の有力企業Artemis DNA社から、VF 6、VF7、VF8、VF9など合計100台の大量受注がありました。

ベトナム初の自動車メーカー、ビンファスト;EV専業に旗幟を鮮明

VFe34を昨年12月に初納車(写真提供:ビンファスト)

ベトナム国内では、ビンファストが2021年12月25日にEV「VFe34」の納車式を開催し、購入者への引き渡しを開始しました。2021年12月に引き渡した台数は約100台、2022年1月末には約1,000台となる見込みです。また、同社は充電インフラの整備にも余念がなく、ベトナム国内で充電設備を2022年内に15万基に増やす方針です(現在4万基)。
ビンファストは2022年下期に予定される米国市場での新規株式公開に向けて準備を着々と進めています。具体的には、昨年第4四半期にビングループは保有するビンファスト株式51.52%をシンガポールに本社を置く子会社のビンファスト・シンガポールに譲渡しました。ビングループのファム・ニャット・ブオン会長が所有するベトナム投資グループも、ビンファスト・シンガポールに同社株48.38%の譲渡を行いました。ビングループとベトナム投資グループは譲渡後、ビンファスト・シンガポール法人を通じて、ビンファスト株式の99.9%を間接的に保有することになりました。

ビングループのレ・ティ・トゥー・トゥイ副会長によると、ベトナム企業の米国上場は法律上可能ですが、それには実務的あるいは法的な課題があるため、ビンファストはビンファスト・シンガポール法人を通じて米国に上場する方式を検討している模様です。IPOが成功裏に完了すれば、ビンファストは世界の株式市場を代表する証券取引所に上場する初のベトナム企業になる見込みです。

米テスラ、リビアンや中国BYD、NIOとEV専業メーカーがひしめく世界の自動車業界ですが、発展途上国も巻き込んで本格的なEV戦国時代に突入したようです。

以上


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