ベトナム計画投資省によれば、2023年1～9月のベトナムへの外国直接投資(FDI)認可額は前年同期比+7.7%の202.1億米ドルであった。同期間のFDI実施額推定値は前年同期比+2.2%の159.1億米ドルであり、1～9月の期間における過去最高記録を更新した。企業の投資資金を支援するという、政府による施策が奏功しているといえる。

出所：ベトナム計画投資省 (MPI)

業界別では、加工・製造業へのFDI認可額の比重が圧倒的に大きく、不動産業がそれに次ぐという構造に大きな変化はない。2023年1～9月における加工・製造業へのFDI認可額は前年同期比+15.5%の約140億米ドルで業種別１位であった。一方、不動産市場の低迷により、不動産業へのFDI認可額は同－45%、認可額全体の9.6％となった。金融・銀行・保険業は同63.8倍、卸売・小売業は同+18.7％伸長した。
投資家の国別で捉えると、シンガポール、中国、日本が上位3か国であり、投資額はそれぞれ39.8億米ドル、29.2億米ドル、29億米ドル。世界的な金利上昇局面で投資家による投資姿勢に陰りが見受けられる中、外国投資家は依然として大規模プロジェクトを含むベトナムへの資本投入を決定している。ベトナムの将来の成長見通しに対する投資家の期待を表しているといえるだろう。

出所：ベトナム計画投資省 (MPI)