ベトナム統計総局(GSO)によれば、2023年第4四半期の国内総生産(GDP)の実質成長率は前年同期比6.72%と、3四半期連続で成長率が、加速した。
出所:ベトナム統計総局(GSO)
2023年通年での実質GDP成長率は5.05%であり、政府による通年目標(6.5%成長)には届かなかったが、2023年10月時点の国際通貨基金 (IMF)による予測(4.7%)を上回った。なお、2023年11月末、国内外の経済情勢と社会経済開発5か年計画を踏まえ、ベトナム政府は2024年の実質GDP成長率目標を6.0~6.5%のレンジに設定、国会にて決議された。
第4四半期を業界別に捉えると、公共投資支出の促進、外国直接投資の積極的な誘致、年前半に不調だった製造業の在庫調整の進展により、工業・建設業が前年同期比7.35%成長した。サービス業は引き続き経済成長の原動力となっており、前年同期比7.29%成長した。
出所:ベトナム統計総局(GSO)
ベトナムの2023年1人当たり名目GDPは4,284米ドル、前年比約3%増加したと推定されている(出所:ベトナム統計総局による2023年第 4 四半期・2023年の社会経済状況報告)。過去からの推移をみると、2023年の1人当たりGDPは10年前の1.8倍、12年前の2倍を超える水準にまで成長してきた。
出所:ベトナム統計総局(GSO)
アジア開発銀行は2023年12月に発表したアジア開発銀行見通しにおいて、ベトナムの2024年GDP成長率を6.0%と見通している。成長率の高さにおいて東南アジアではフィリピンに次ぐ2位になると予測している。IMFによれば、ベトナムの2024年GDP成長率見通しは5.8%であり、世界経済の成長率予測(2.9%)を大幅に上回り、成長率の高さで上位グループに位置付けられる見通しである。