フィリピン統計庁(PSA)が発表した貿易収支統計(速報値)において、11月の輸出額(商品)は前年同月比13.7%減の61.3億米ドルだった。2023年1月~11月期の輸出伸び率は5月、6月、8月にはプラスだったが、残りの月はマイナスの状況が続いている。
輸出の内訳を見ると、総輸出額の56.1%を占める電子製品が前年同月比24.7%減の34.4億米ドルであった。2位は、その他製造品(同1.8%減の3.3億米ドル)、3位はその他鉱物製品(同6.2%減の2.3億米ドル)であった。
11月の輸入額は前年同月比+0.02%の108.2億米ドル。電子製品が同16.4%減の22.1億米ドル。鉱物燃料(同7.9%減の15.6億米ドル)と輸送用機器(同+41.2%の11.7億米ドル)がそれに続く。11月の貿易赤字は46.9億米ドルとなり、輸出額の減少により前月比では拡大したが、2022年8月の過去最大水準(60.2億米ドル)からは、インフレ等で輸入が萎んだことに伴い縮小した状況にある。
11月の相手先別輸出額の首位は米国で9.7億米ドル(同14.5%減)、輸入額の首位は中国(本土)で27.2億米ドル(同+4.6%)。1~11月の累計では、輸出額が前年同期比8.4%減の670.3億米ドル、輸入額が同8.6%減の1,160.1億米ドルで、貿易赤字は489.8億米ドルとなった。
世界市場の不確実性により、輸出マーケティング局(EMB)のビアンカ・シキムテ局長は、2023年の輸出が目標を下回るとの見通しを発表した。フィリピン輸出開発プログラム(PEDP)に基づき、2023年の輸出(商品およびサービス)目標は1,268億米ドルであったのに対して、2024年目標として1,434億米ドルが設定されている。2024年目標を達成するために、商品とサービスの輸出を大幅に増やすことが目論まれている。
輸出入伸び率(対前年同月比;%)
出所:フィリピン統計局(PSA)、ブルームバーグ