2023年前半には貿易額の失速に見舞われたが、第3四半期より回復傾向にある。ベトナム税関総局によれば、12月の輸出額は前年同期比8.1%増の314.7億米ドル、輸入額は同7.8%増の294億米ドルとなった。2023年通年の輸出額は前年比-4.6%の3,546.7億米ドル、輸入額は-9.2%の3,263.7億米ドルであった。
出所:ベトナム税関総局
回復傾向の背景としては、①第3四半期より、コンピューターおよび電子製品といった大きな輸出品目や、木材等、カメラ・ビデオカメラレコーダーなどが伸長したこと、②政府が為替レートの安定化に注力したこと、などが挙げられる。2023年の貿易黒字は約283億米ドルと、前年比2倍を超える水準へと大幅に増加した。携帯電話・コンポーネント製品(貿易黒字436億米ドル)が黒字額の大きい品目であった。1~6月には製造業向け材料の輸入が減産の影響を受け、輸出額より輸入額が急激に減少していた。
出所:ベトナム統計総局(GSO)
2023年の農産物(青果物、カシューナッツ、胡椒、お茶など)の輸出額は、前年比24.2%増の約205.9億米ドルとなった。この伸び率は過去10年内で最高水準であった。
出所:ベトナム税関総局
主要国・地域別では、主要輸出相手先1位が米国(970億米ドル)、2位が中国、3位がEU、4位がアセアンであった。輸入相手先としては、1位が中国(1,106億米ドル)、2位が韓国、3位がアセアン、日本が4位であった。
出所:ベトナム統計総局(GSO)
自由貿易協定(地域的な包括的経済連携協定RCEP、環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定TPP11、ベトナム・韓国自由貿易協定VKFTA、日本・ベトナム経済連携協定JVEPAなど)を通じて、カナダ、EU、オーストラリア、日本、アセアン諸国等への青果物の輸出が促進された。そして、2023年には衣料品の輸出先が2022年の80市場から104市場へと拡大した。
商工省によれば、2024年の輸出目標は、前年比6%増の約3,759億米ドルとされている。
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