フィリピン統計局(PSA)によると、2024年2月の消費者物価指数(CPI、2018=100)は前年同月比+3.4%となり、前月の同+2.8%に比べて上昇したが、1年前の同+8.6%から大幅に低下、2023年12月の同+3.9%に比べても低下した水準にある。2024年1~2月期のCPIは前年同期比+3.1%で、政府の目標レンジ(+2~4%)にしっかり収まっている。食品とエネルギーを除くコアインフレ率は1月の前年同月比+3.8%から2月には同+3.6%へと鈍化した。なお、2023年2月のコアインフレ率は同+7.8%であった。
2月のCPI上昇率の高まりの背景としては、食品・非アルコール飲料が12月の前年同月比+5.4%から1月には同+3.5%へと鈍化したが、2月には同+4.6%へと上昇に転じたことが挙げられる。運輸も12月の同+0.4%、1月の同-0.3%から2月には同+1.2%へと上昇に転じた。
財務省(DOF)は、商品とサービスのインフレ抑制のために「新興インフレを今すぐ削減(REIN)」計画による脆弱なセクターへの財政援助プログラムなどを実施している。さらに、フィリピン国民の購買力を高めるために「インフレ・市場見通しに関する省庁間委員会(IAC-IMO)」が昨年3月に創設されており、様々な価格を定期的に監視するほか、農業生産の向上対策、近隣国との貿易協定に基づくコメ輸入の確保(ベトナムとは年間150~200万トンのコメを今後5年間手ごろな価格で同国から輸入することで合意)などの取り組みをタイムリーに進めている。
出所:フィリピン統計庁(PSA)、ブルームバーグ