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ベトナム国家主席が辞任も、経済に与える影響は限定的

情報提供資料

2024年3月22日

ベトナム共産党の中央委員会は、20日の緊急会議でボー・バン・トゥオン国家主席の辞任の申し出を承認した。同氏は党最高指導部である政治局員や中央委員も辞する。党中央監査委員会で同氏の党員としての違反行為などが認定されたことで、同氏自身がその責任をとる形となった。
違反行為の詳細は明らかにされていないが、未上場の不動産会社の脱税事件に絡み、トゥオン氏の出身地や過去の勤務地などの地方政府高官が収賄容疑で逮捕されたこととの関連が取りざたされている。いずれにせよ、ベトナム政府が透明で公正な政府を目指し、例外なく断固とした取り組みを継続していることを示している。
昨年には前国家主席のグエン・スアン・フック氏が辞任しており、2年連続で国家主席が退く事態となっているが、株式市場は冷静な反応となっている。ベトナムVN指数は今回の辞任観測が流れた18日には前営業日比-1.60%となったが、19日に同-0.09%、20日に同+1.42%、21日には同+1.30%と持ち直している。国家主席は元首として主に外交的な役割を担うものであり、今回の辞任が国内経済運営に及ぼす影響は小さいとみられている模様である。同国の景気・企業業績は金融・財政両面での政策対応もあり、回復基調を続けるであろう。
なお、21日には臨時国会が召集され、ボー・ティ・アイン・スアン国家副主席が暫定的に職務を代行することが決まった。同氏は昨年同様、新国家主席が選出されるまで代行として職責を全うすると期待される。昨年、フック氏の辞任からトゥオン氏の就任まで1ヵ月半かかっており、今回の後任の選出も慎重に行われるとみられる。
ベトナム国家主席が辞任も、経済に与える影響は限定的

出所:ブルームバーグのデータを基にキャピタル アセットマネジメントが作成

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