ベトナム経済は力強い成長軌道にあり、2026年第3四半期(Q3)の実質国内総生産(GDP)成長率は前年同期比9.95%を記録し、1-9月の累計GDP成長率は9.01%となった。こうした高成長を背景に、人工知能(AI)は単なる先進技術の枠を超え、国家の「飛躍の時代」を牽引する成長の原動力へと変容しつつある。2026年8月28日付けで首相決定第1671/QĐ-TTg号「2030年までのAI国家戦略および2045年ビジョン」が正式承認され、ベトナムは従来の「AIの研究・応用」から「AIによる国家全般の包括的トランスフォーメーション(変革・再構築)」へと戦略の舵を切った。本戦略は、中長期的な産業構造の高度化と生産性向上を支える中核アジェンダと位置付けられている。ベトナム経済は力強い成長軌道にあり、2026年第3四半期(Q3)の実質国内総生産(GDP)成長率は前年同期比9.95%を記録し、1-9月の累計GDP成長率は9.01%となった。こうした高成長を背景に、人工知能(AI)は単なる先進技術の枠を超え、国家の「飛躍の時代」を牽引する成長の原動力へと変容しつつある。2026年8月28日付けで首相決定第1671/QĐ-TTg号「2030年までのAI国家戦略および2045年ビジョン」が正式承認され、ベトナムは従来の「AIの研究・応用」から「AIによる国家全般の包括的トランスフォーメーション(変革・再構築)」へと戦略の舵を切った。本戦略は、中長期的な産業構造の高度化と生産性向上を支える中核アジェンダと位置付けられている。

(出所)決定第1671/QĐ-TTg 号

(出所)マイクロソフト、アマゾン、ベトナム政府メディアの情報を基にCPVN作成
ベトナム国内では、生成AIの実証実験段階から、商用化および民間・公共部門での実装へとシフトし、エコシステムが形成されつつある。今後高付加価値化が期待される領域は、GPU(Graphics Processing Unit、画像処理装置)/AIクラウド、データセンター、ベトナム語特化型LLM(Large Language Model、大規模言語モデル)・データ基盤、AIエージェント、業務の自動化、製造・物流・金融・公共分野における応用等である。本戦略は、包括的なAIバリューチェーンの構築を目標としている。
これらの目標を達成すべく、政府は以下の3つの主要な施策を展開している。
① 法的枠組みの整備:2025年12月10日に国会で可決され、2026年3月1日付で施行された 「人工知能法(法律第134/2025/QH15号)」に基づき、AIの研究・開発・提供・導入・利用に関わる総合的な枠組みを確立。
② インフラおよびデータ基盤の整備:決定第1671/QĐ-TTg号の指針に基づき、国家レベルでのAI計算能力の構築、主要データベースの標準化、共有データの拡大、およびAIインフラ向け電力資源の安定確保を推進。
③ 市場育成および人材開発:2030年までの目標として、高度AI人材1万人以上、AI応用能力を有する大学卒以上の人材5万人、AIの導入・運用能力を備えた労働者50万人の育成を掲げるとともに、パブリックセクターにおけるAI活用の促進、民間企業やスタートアップへの支援拡大、および官民連携(PPP)の強化を図る。
現在、ベトナムのテクノロジー企業はエコシステムを強力に発展させており、AI全般にわたる包括的な能力を備え、グローバルサプライチェーンにおいて強固な立ち位置を確立しつつある。

(出所)各社ウェブサイトを基にCPVN作成
投資家にとって、ベトナムAI経済における機会はAI関連企業への直接投資にとどまらない。データセンター、AIクラウド・GPU、データ基盤、自動化、さらには製造・ロジスティクス・金融向けAIソリューションといった周辺・関連領域にも広範な投資機会が存在している。特に、ベトナムが有するソフトウェア開発およびAI技術能力と、日系企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)需要との融合は、企業間取引(B2B)連携やAIサービスの輸出における成長余地を創出することが期待される。
高度に発達した情報通信技術(ICT)基盤、加速するAIの導入・活用、そして明確な政府による支援策を背景に、ベトナムは地域内において高い競争力を有するAIエコシステムを形成するポテンシャルを秘めている。AIは今後、ベトナムの新たな成長エンジンとなるだけでなく、テクノロジー、デジタルインフラ、製造業といった広範な分野において、多くの投資および協業の機会を創出するものと期待される。当社では、引き続きベトナムにおけるAIセクターの展開に注目していく。