2022年初5か月のベトナム貿易は強いプラス成長を記録した。ベトナム税関総局によれば、2022年初の5か月で、貿易金額は3061.4億米ドルであった。そのうち、輸出は前年同期比16.7%増の1532.9億米ドルになり、輸入は同15.3%増の1528.6億米ドルになった。
多くの輸出品目が、新型コロナウイルスの感染拡大が収まりつつある中、国内企業の生産と営業の再始動およびサプライチェーンの再開への取り組みにより、前年同期比で２桁の伸びを示した。

農林水産業の輸出
2022年初5か月で、農林水産業の輸出額は前年同期比13.5%増の約200億米ドルになった。 その中で、水産物の輸出額は47億米ドルであり、同43.7%増であった（パンガシウスとエビが最も伸長率が高かった品目）。その理由として、世界的にベトナムの水産物に対する需要が高いことが挙げられる。ロシアは世界の水産物の主要な供給国であるが、EUと米国によるロシア製品の禁輸措置により、EU諸国と米国からのベトナム産水産物への需要が高まった。一方、ロシアとウクライナの紛争は、ベトナムのマグロの輸出にマイナス影響を及ぼした。両国が、ベトナムからのマグロ輸出の主な相手先だからである。
コーヒーの輸出伸長率も高く、前年同期比52.6%増であった。国際コーヒー機関（ICO）によれば、前年同期にベトナムからの出荷がコンテナ不足などの物流面での支障により減少したことからの反動増や、南米の悪天候ゆえの供給減に起因する価格上昇がその要因であった。