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ベトナム胡椒輸出が世界市場で急拡大 ~実態経済の活況から紐解くベトナム株式セクター~

情報提供資料

2026年6月10日


 ベトナムでは、「農産物輸出」の存在感を高めています。ベトナム統計局(NSO)によると、2026年1~5月期の農林水産分野の輸出額は306.9億米ドル(前年同期比9.2%増)を記録し、大きな貿易黒字を達成しました。注目されるのが「胡椒」です。

1. 世界市場を席巻するベトナムの胡椒産業

 ベトナムは世界の胡椒供給量において約36%のシェアを誇る世界最大の生産国です。2026年1~5月期の税関総局データによると、胡椒の輸出量は約12. 2万トン(前年同期比22%増)、輸出額は7.9億米ドル(同14.4%増)と急増しています。

 特に、最大輸出先である米国市場においては、米国が輸入する胡椒の78%以上がベトナム産で占められています。また、足元では中国向けの輸出量が前年同期比で約3.9倍に急増し、中国での需給ギャップを背景に高成長を記録しています。

ベトナム胡椒輸出が世界市場で急拡大 ~実態経済の活況から紐解くベトナム株式セクター~

(出所)2025年胡椒市場レポート

2. 金融・投資の視点:実体経済の活況から紐解く関連銘柄
 世界的な通商政策や価格変動などの要因はあるものの、2026年の市場見通しは総じてポジティブです。「胡椒」などの農産物輸出がけん引し、恩恵が期待されるセクターおよび銘柄を紹介します 。

(1) 物流インフラ・ITセクター(直接的な恩恵)
 大量の農産物が輸出されるプロセスで、港湾運営や物流を担う企業、およびトレーサビリティ(追跡可能性)の厳格化に対応するIT企業で恩恵が期待されます 。

 ● ジェマデプト(GMD/Gemadept Corp)
  ベトナム最大手の港湾開発・物流企業 。主要港湾と国際基準のサプライチェーン網を保有し、ベトナム全体の輸出貨物量(外需)の拡大が中長期の業績拡大に直結する代表に挙げられます 。

 ● FPT(FPT/FPT Corporation)
  ベトナム最大のIT大企業。国家戦略である「農産物デジタル追跡システム」の開発やDXを主導し、スマート農業管理やサプライチェーンの「見える化」技術インフラを支えています。

(2)金融・銀行セクター(富の循環)
 輸出拡大や国際価格の上昇は、地方の農業生産者や輸出業者に潤沢なキャッシュをもたらします 。リテール(個人向け)や中小企業(SME)ビジネスに強みを持つ大手商業銀行にとって、大きなプラス要因です。

 ● VPバンク(VPBank / ベトナム繁栄商業株式銀行)
  リテールおよびSME部門で国内トップクラスのシェアを誇る民間系の雄 。消費者金融や中小企業向け運転資金ローンに強みを持ち、日本の三井住友フィナンシャルグループと資本業務提携しています。

 ● ベトコムバンク(Vietcombank / ベトナム外商銀行)
  時価総額・純利益ともに首位に君臨する国営系トップ銀行 。歴史的に外国為替や国際貿易決済に圧倒的な強みを持ち、貿易を行う優良な中堅・中小企業(SME)の顧客基盤を多く抱えています。

(3) 農業資材・化学セクター(生産性向上)
 欧米など高級市場の厳格な規制をクリアするため、「ただ量を売る農業」から「高品質な農業」へのシフトが進み、環境配慮型の資材需要が高まっています。

 ● ペトロベトナム・カマウ肥料(DCM / PetroVietnam Camau Fertilizer JSC)
  国営石油ガスグループ(PVN)傘下の巨大肥料メーカー 。「グリーン農業」を掲げ、環境汚染を防ぐ独自の環境配慮型肥料の開発に強みがあり、海外の厳しい品質・環境基準に適応できる技術力を有します。

 欧米や日本向け輸出で求められる残留化学物質の規制や、炭素排出、労働環境への基準の厳格化は、ベトナムの高度化を促す最大の契機です。これにより低品質なメーカーは淘汰され、国際基準を満たす資材を提供できるカマウ肥料(DCM)や、サプライチェーンの透明性を支える高度IT技術を持つFPTのような、技術力と資本力のある業界リーダーに市場シェアが集中します。

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