2026年6月23日(米国現地時間)に米国の指数提供会社・MSCIが公表した「2026年版市場分類見直し」において、ベトナム証券市場に関する変更は言及されなかった。これは、2026年6月審査においても、ベトナムがフロンティア市場から新興国市場へのウォッチリスト入りを実現しなかったことを意味する。本結果は市場の大方の予想の範囲内であり、同時期に公表された「2026年版グローバル市場アクセシビリティレビュー」(以下、レビュー)においてベトナムは18項目の評価基準のうち8項目が依然として「−」(要改善)に据え置かれており、前回審査から変化はなかった。
レビューにおいて、MSCIは以下の改革を肯定的に評価していた。(1)グローバル・ブローカー経由の取引モデルの導入、(2)中央清算機関(CCP)の正式設立、(3)英語による情報開示のロードマップ、(4)外国人持株比率上限(FOL)に係る規制の調整。ただし、これらの改革はいずれも引き続き実施途上にあり、公式評価に反映されるためには一定の時間を要するとMSCIでは指摘するとともに、今後も動向を注視していく方針である。
2023年以降、ベトナムは市場における障壁の解消を目的とした一連の重要な法的文書を相次いで整備してきた。

※SSC:国家証券委員会(State Securities Commission of Vietnam)
※VSDC:ベトナム証券保管振替機構(Vietnam Securities Depository and Clearing Corporation)
今後、ベトナムは一連の重要な改革マイルストーンに向けて、総力を挙げて取り組んでいく見通しである。直近の目標は、上場企業が適用する外国人持株比率上限(FOL)を2026年9月末までに開示することである。2026年9月21日にはFTSEラッセル(ロンドン証券取引所傘下の指数算出会社)がベトナムを第2新興国(センカンダリー・エマージング)市場へ正式に格上げする予定となっている。この格上げは、MSCIによる今後の審査に向けた実績面での前提条件を整えるものとして期待されている。中期的には、中央清算機関(CCP)モデルが2027年初頭に本格稼働する見通しであり、これにより2026〜2028年にかけての有価証券貸借取引(SBL)および規制された空売りの導入に道が開かれる。ベトナムはMSCIが定める18項目の評価基準を満たすという目標に近づいており、近い将来の審査サイクルにおいてウォッチリスト入りが実現することへの期待が高まっている。