政府は2026年6月27日付け決議第168/NQ-CPにおいて、年間10%以上の成長シナリオを達成するため、2026年下半期のGDP成長率の目標を11.9%に引き上げた。これは上半期実績の1.5倍近くに相当する。分野別では、鉱工業・建設業14.3%、サービス業12.0%、農林水産業4.3%程度の成長が目標とされているが、挑戦的な水準といえる。この目標を達成するために以下が示された。
■ 特に高い成長目標が設定された個別業種は、建設業(17.6%)、宿泊・飲食業(17.3%)、電力(16.9%)、銀行・金融・保険業(14.0%)である。地域別では、ハノイ市11.0%、ホーチミン市10.2%が下半期目標として掲げられた。さらに、ハイフォン市(13.0%)、クアンニン省(13.0%)、バクニン省(12.5%)には引き続き経済成長を牽引する役割が期待されている。
■ 主な政策
• 公共投資:2026年度公共投資予算の実行率100%達成を目指し、週次・月次・四半期ごとの詳細な執行計画を策定するとともに、各機関長の責任を明確化。
• 財政政策:ガソリン・航空燃料税の柔軟な調整、付加価値税(VAT)、法人所得税、個人所得税および土地賃借料の納付期限延長など、財政支援を重点的に実施。
• 金融政策:ベトナム国家銀行(中央銀行)は金利の安定とインフレ抑制を維持しつつ、生産・事業活動および重点プロジェクトへの融資を拡大するとともに、外国為替市場を厳格に管理。
• 制度改革・新たな資本誘致:海外からの直接投資(FDI)に係る経済行動計画の整備、証券法改正、国際金融センターの整備を進め、海外からの投資資金誘致を強化。
• 消費喚起:公共投資の配分強化策に加え、消費需要を喚起するための施策を導入。商工省は、ベトナム小売市場の発展戦略を実施するための行動計画を発表。
世界銀行は1人当たり国民総所得(GNI)に基づき、各国の所得区分を7月1日に更新した。ベトナムは2025年のGNIが4,970米ドルに達し、フィリピン、ヨルダン、ミクロネシア連邦、スリランカとともに「上位中所得国(Upper-middle-income、GNIのレンジ4,636~14,375米ドル)」へ格上げされた。このことは消費刺激を後押しする要因の一つになると期待される。

(出所)世界銀行(WB)
2026年下半期に11.9% のGDP成長率を達成するには、政府の抜本的な取り組みと、各産業の高成長が不可欠である。11.9%の目標成長率が達しなかったとしても、政府と民間部門による成長に向けた取り組みを背景に、ベトナムの持続的高成長が期待される。
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