キャピタル アセットマネジメント株式会社

フィリピン、26年成長率目標3.5〜4.5%に下方修正

情報提供資料

2026年7月21日

 減速の背景としては複数の要因が指摘されている。中東紛争による原油高でインフレが加速(通年予測6〜7%)、中東が海外フィリピン人労働者(OFW)送金の17%超を占めるため、紛争長期化は送金・家計消費への逆風にもなる。また洪水対策事業を巡る汚職事件の余波で公共投資が停滞し、建設業は3四半期連続で縮小した。中央銀行は4〜6月に政策金利を計0.5%引き上げ4.75%としたが、実質金利は依然低水準にあり、名目上の引き締めほど投資資金への抑制効果は強くならず、追加利上げによる成長への下押し効果は限定的とみられる。

フィリピン、26年成長率目標3.5〜4.5%に下方修正

 経済部門別では、サービス業が前年同期比4.5%増を記録した。一方、農林水産業は0.2%減、鉱工業は0.1%減となった。個別業界では、商業(卸売/小売業/自動車・オートバイの販売・修理等)が4.6%増、行政・防衛・義務的社会保障が8.6%増、金融・保険が3.4%増となり、成長をけん引した。

 一方、IT-BPM産業(ITを活用したビジネスプロセス管理・委託産業で、BPOといわれるアウトソーシングを含む)は2026年に輸出収入約420億米ドル、雇用約200万人と世界平均を上回る成長を続け、関連需要が商業不動産市場も下支えしている。今年6月時点の外貨準備高は1,048億米ドル(輸入の7か月分超)と安全水準を維持し、対外的な不均衡リスクを抑制している。このことが、政府が緊縮財政に急転換せず、公共投資拡大でインフラ再建を進める余地を生んでいる。為替面では、開発予算調整委員会(DBCC)が想定レートを1ドル=60〜62ペソへ下方修正(従来58〜60ペソ)した。緩やかなペソ安の容認は、IT-BPMにおける輸出やOFW送金の目減りを抑える効果もある。

フィリピン、26年成長率目標3.5〜4.5%に下方修正

(出所)フィリピン中央銀行(BSP)

 DBCCは2026年の減速を経て、2027〜2030年に成長率が5〜6%へ回復すると予測。2028年以降インフレ率を2〜4%の目標圏内に戻し、財政赤字をGDP比5.4%(2026年)から3.5%(2030年)へ縮小する方針である。政府債務残高には注視が必要であるが、潤沢な外貨準備と主要産業の底堅さが、緩やかな回復シナリオを支える構図となっている。

免責事項

当資料は、情報提供を目的として、キャピタル アセットマネジメント株式会社(CAM)が作成したもので、投資信託や個別銘柄の売買を推奨・勧誘するものではありません。また、CAMが運営する投資信託に当銘柄を組み入れることを示唆・保証するものではありません。当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。

ファンド情報