ベトナム・ハノイにある弊社グループ会社(CPVN)は、国士舘大学 税所哲郎先生、立教大学 林倬史先生と、ベトナムの流通業界について活発な情報交換を行った。
ベトナムのスーパーマーケット業界では、マサングループのWinMart、タイ系のビッグC、日系のイオンモールなどが有力会社である。それぞれ特徴があり、マサンはインスタントラーメン、魚醤、ビール等をプライベートブランドで製造し、他のメーカー製品と一緒に販売している。ビッグCは、大衆向けの低コスト製品販売に重点を置く。イオンモールは、高品質の商品と丁寧なカスタマーケアサービスを目指しそれぞれ特色がある。
これら大規模スーパー・マーケットチェーンを展開する各社は、ITシステムを開発しているのも特徴である。顧客が店舗に赴くと、独自のアプリをインストールし、他店舗でも同様のサービスを受けられる。小規模スーパー・マーケットが多いベトナムでは、ERPViet、KIOTViet、POS365などのパッケージ・ソフトウェアを使用し販売管理をしている。今後は、販売管理ソフトウェア市場の競争も激化しそうである。
一方で、生産情報システムに関しては、FPTとその子会社であるBase.vnがERPソリューションを提供している。また、CMG社は、SamsungSDSと協働しスマート・ファクトリーソリューションを提供している。ドイツ系のSAP社もERPソリューションを提供しているが、コストが高いため、SAPのソリューションを購入するのは、ビナミルクのような一部の大手企業ぐらいである。
会計ソフトウェア業界では、MISA(顧客数250,000以上)とFastAccounting(顧客数45,000以上)の2社が有名である。多数の顧客を持っているので販売管理、領収書管理の他、人事管理などの企業管理関連ソフトウェアも開発している。MISAは銀行と連携し、銀行の融資審査業務のスピードアップとコスト削減に貢献している。今後、ベトナム証券市場への上場が多くなることを見据え、会計システムをアップグレードする必要性が課題であろう。よってMISAとFastAccountingのビジネス拡大の機会は非常に大きい。
短い時間だったが、両先生と、ベトナムの流通業界について情報交換ができたことを大変うれしく思っている。