ベトナムは多くの農産物に適した気候と土壌条件を持つ農業国だと言われている。世界貿易機関(WTO)の「世界貿易統計レビュー2022」によると、ベトナムは2021年の商品輸出額で23位、輸入額では20位にランクインされ、ここには農産物の貢献もある。
2022年のベトナムからの主要な輸出農産物としては米(輸出量約700万トン、輸出額約36億ドルで世界3位)、コーヒー(同178万トン、同40.6億ドルで世界2位)、カシューナッツ(同52万トン、同31億ドルで世界1位)、胡椒(同22.9万トン、同10億ドル近くで世界1位)、果物(輸出額33.4億ドル)が挙げられる。果物の中で、最大の輸出額を誇るのはドラゴン・フルーツで年間10億ドル以上に達している。次いで、バナナ、ジャックフルーツ、ドリアン、マンゴー等となっている。
ライチも世界30カ国以上へ輸出され、ベトナムの代表的な農産物の1つである。北部バクザン省とハイズオン省、クアンニン省がベトナムの主なライチ生産地であり、その内、バクザン省はベトナム最大のライチ栽培面積(3万ヘクタール近く)を誇っている。
ベトナムにおけるライチ栽培面積は3省合計で約4万ヘクタール、その年間生産量は24万トン強、そのうち半分は輸出されているようである。近年、VietGAPやGlobalGAP等の安全農産物生産基準やオーガニック基準、加工技術、登録生産園地番号付与、植物検疫措置等を積極的に導入していることにより、収穫物の品質が大きく向上、輸出量も拡大している。今年の収穫期は5月15日から7月末までになりそうである。
2019年12月15日にベトナムからの生ライチ輸入が日本政府に承認されて以降、2020年にベトナムは日本市場におよそ40トンの生ライチを初輸出した。2021年にはこの輸出量は300~400トンへと10倍近くに増えた模様である。日本の消費者が夏に期待している輸入果物の1つであり、今年もさらなる増加が見込まれている。
※データと写真の出所:各省の農業農村開発局、市民委員会のウェブサイト