ベトナム統計総局(GSO)は2023年1~5月期の小売サービス売上高が約2,527兆ドン(約1,098.7億米ドル)となり、前年同期比+12.6%増だったと発表した。この1~5月期の伸び率は2014年以来の高水準であった。高成長の主要因としては、①デジタルプラットフォームでの商品販売の促進、国内外の貿易促進プログラムといった消費回復策の実施、②外国人と国内観光客が大幅に増加したこと、③1~5月の消費者物価指数(CPI)上昇率が前年同期比+3.55%であったことが挙げられる。
分野別に見ると、最も成長率が高かった業界は観光サービス業で11.6兆ドン(約5億米ドル)、前年同期比で約1.9倍であった。商品販売は1,993.6兆ドン(約866.8億米ドル)、前年同期比+10.7%伸びた。宿泊・飲食サービス業は同+22.1%の268.3兆ドン(約116.7億米ドル)となった。その他サービスは253.6兆ドン(約110.3億米ドル)で同+15.8%伸びている。
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出所:ベトナム統計総局
2023 年の小売売上高は以下の要因により大幅に増加することが期待されている。
① ベトナム政府は、2023年7月1日から12月31日まで付加価値税率の10%から8%への引き下げを打ち出した。これにより、企業の生産や個人消費の喚起が期待される。
② 同国政府は観光のマーケティング開発戦略と文化観光活動を推進しており、2023年通年の国内観光客は前年比+0.7%の1.02億人、外国人観光客は同2.18倍の800万人を目標としている。
ベトナム市場での消費増加を見越して、タイの小売最大手セントラル・グループ(Central Group)は2023~2027
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年の5年間で店舗数を600店へと倍近くに増やすことを企図している。2023年には同グループのセントラル・リテール・コーポレーションによるベトナムへの投資額が1.7億米ドルになると伝えられている。