ベトナム観光総局によれば、2023年1~10月でベトナムは約1億800万人の累計観光客数に達し、ベトナム国内を含む観光客数の2023年目標(1億1000万人)をほぼ達成した。このうち約1000万人が外国人観光客で、この数値は2022年通年の2.7倍に相当し、2023年の当初目標800万人を超えた。
出所:ベトナム観光総局
上記目標を達成するために、ベトナム政府は内外に向けて、観光促進の施策を打ち出し、実行してきた。
①韓国、日本、欧州諸国など13か国の観光客の滞在可能期間を45日間に延長した(従来は15日間)。
②ベトナムに絡む観光フェスティバルや、国際的なアーティストによるコンサートなど、多くの国際イベントを開催した。日越外交関係樹立50周年記念を謳った数々のイベント(東京・代々木公園でのフェスティバルなど)を開催したほか、ベトナム国内ではハノイ、ダナンで神奈川フェスティバルが開催予定である。
③観光客数の多い主な国(韓国、日本、アラブ首長国連邦)や国際観光機関と観光協力協定を締結した。展示会や国際見本市などの多くの観光関連イベントにも参加し、現地との交流を深めながらベトナム観光を促進している。
④地方では、観光地の管理を強化、独自の強みを持った観光促進プログラムを組織し、観光事業を改善させながら国内外の観光客を誘致している。
⑤ウェブサイト(例えばhttps://vietnam.travel/)と旅行アプリケーションの構築、観光業界のデジタル変革の加速、業界データベースシステムの構築などのデジタルプラットフォームの活用など、ベトナム観光の発展を推進している。
好調な外国人観光客数実績をふまえ、ベトナム文化・スポーツ・観光省は2023年の外国人観光客受け入れ目標を800万人から約1200∼1300万人に上方修正した。観光業を含むサービス業は明るい将来が期待されており、国の経済成長に大きく貢献している(2023年1~9月の名目GDPの42.7%をサービス業が占め、前年同期比6.3%の実質成長率を示した)。
ベトナムは観光分野で多くの名誉ある国際賞を受賞している。これらには、アジアのベストゴルフ・デスティネーション(2017~2023年)、アジアのベストスパ・デスティネーション(2022~2023年)の称号が含まれる。ハノイは2023年に世界最高のゴルフ都市とアジアの新興食文化都市賞2023にも選ばれた。
*写真の出所:ベトナム観光総局