キャピタル アセットマネジメント株式会社

ベトナム証券市場 FTSE格上げへの道のり プレファンディング規制緩和

情報提供資料

2024年9月27日

ベトナムはFTSE指数(ロンドン証券取引所傘下のFTSEインターナショナルが提供する指数)とMSCI指数(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナルが提供する指数)の両方において、フロンティア市場から新興国市場へと格上げさせるための取り組みを政府のリーダーシップの下で積極化させている。このうち、FTSE指数での格上げは2025年3月にも発表される可能性が高まっている。4月26日付け当社レポートでは、FTSE による基準の中でベトナムの株式取引で「プレファンディング(取引前の資金の預入れ)を要求されていること」が障壁となっている旨を報告していたが、その障壁が解消されることが決まったためである。
9月18日、ベトナム財務省は、証券取引を規制する多数の通達条項を改定・補足する通達 68/2024/TT-BTC号を正式に発出した。同通達は上場株式の売買や保管、情報公開等を規定している4通達(通達120/2020/TT-BTC号、通達121/2020/TT-BTC号、通達119/2020/TT-BTC号、通達68/2024/TT-BTC号)を改定・補足するものである。同通達のポイントは、①海外機関投資家は十分な資金を必要とせずに株式の買い注文を出すことが可能となる規定(法人投資家が対象)、すなわちプレファンディング規制の緩和、②取引の支払いを確保するために、証券会社や資産管理銀行は証券保管センターと緊密に連携・報告する規定、③証券会社が外国人投資家の決済活動の安全性を確保する義務と融資上限に係る規定、④英語による情報開示の充実化に関する規定となっている。同通達は2024年11月2日に発効する予定である。
今回のプレファンディング規制の緩和措置は、ベトナム政府と関係当局による株式市場分類の格上げに向けた決意を表している。プレファンディング規制の緩和自体にも、外国人投資家の参入増加による株式市場の流動性向上をもたらす効果があると考えられるが、障壁が取り除かれたことで同国が目指している格上げが実現すれば、外国人からの一層の資金流入も期待できる。

FTSE指数における新興国市場への格上げに向けた主要なマイルストーン

ベトナム証券市場 FTSE格上げへの道のり プレファンディング規制緩和

以上

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