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フィリピンの2025年第1四半期GDP成長率は5.4%

情報提供資料

2025年5月16日

 フィリピン統計庁(PSA)によれば、2025年第1四半期の実質国内総生産(GDP)の成長率は前年同期比5.4%となり、2025年の政府目標(6.0~8.0%)には及ばなかったものの、海外出稼ぎ労働者からの送金増などを背景とした家計の消費支出の伸び加速に支えられて2四半期連続で加速した。
 主要な経済部門では、農林水産業は前年同期比+2.2%と緩やかであったが、製造業等鉱工業が同+4.5%、サービス業が同+6.3%と堅調な成長を示した。個別産業でみて第1四半期の成長に特に貢献したのは、商業(前年同期比+6.4%)、金融・保険(同+7.2%)、製造業(同+4.1%)であった。
 需要側で第1四半期の成長に貢献したのは、全体の7割強を占める家計の消費支出(同+5.3%)、政府の最終消費支出(同+18.7%)、総資本形成(同+4.0%)、輸出(同+6.2%)等であった。民間の住宅建設や鉄道、道路など大型インフラ整備が成長に寄与した。なお、輸入は同+9.9%であった。
 経済企画開発省のアルセニオ・バリサカン長官は、第1四半期のGDP成長率を発表済みのアジア主要国の中でベトナムの成長率(6.9%)には及ばないものの、中国と並ぶ2位の成長率であった。主要な国際機関がフィリピンを引き続き地域で最も成長率が高い国の一つと見なしており、マルコス・ジュニア政権はこの成長を持続させるために改革を続けていくと表明した。すなわち、政府は、消費者の購買力を守り、より成長を促進する金融政策を可能にするため、供給側の対策を通じてインフレを抑制することに引き続き取り組んでいく。そして、投資誘致、インフラ投資の増加のほか、重要な経済改革の推進は今後も継続する方針である。さらに、欧州連合、アラブ首長国連邦、米国などとの貿易パートナーシップも拡大していくことも同氏は付け加えた。
 なお、2025年のGDP成長率について、世界的な貿易の混乱や不確実性の影響により、4月に世界銀行は6.1%から5.3%へ、国際通貨基金(IMF)は6.1%から5.5%へ同国の見通しを引き下げている。
フィリピンの2025年第1四半期GDP成長率は5.4%

出所:フィリピン統計庁(PSA)

以上

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