キャピタル アセットマネジメント株式会社

インドネシア 今年5回の利下げで経済の課題に取り組む

情報提供資料

2025年9月26日

 2025年9月までに、インドネシア中央銀行(BI)は一連の政策金利(7日物リバースレポ金利)引き下げを実施した。政策金利は、2024年末の6%から4.75%に、累計1.25%引き下げられた。この施策は、世界的な貿易摩擦や輸出需要の減退といった外部要因に加え、消費と投資の鈍化や若年層の失業が多いといった国内経済の課題に対応することを目的としている。
インドネシア 今年5回の利下げで経済の課題に取り組む

出所:インドネシア中央銀行、CPVN編集

 以下は、この金利政策に対するインドネシア政府の信認を裏付けるマクロ経済データである。
 • 第2四半期の実質国内総生産(GDP)成長率は前年同期比5.12%となり、第1四半期の4.87%を上回り、事前予測も上回った。
 • 消費者物価指数の前年比上昇率は2.5%を下回る状況が1年ほど続いている。
 • インドネシアルピアの為替水準は、外為管理政策もあり5月以降は比較的安定していた。
 • 2025年8月末の外貨準備高は1,507億米ドルであり、輸入額の約6か月分に相当する。
 GDPの推移は堅調に見えるものの、国内では製造業の購買担当者景気指数(PMI)が4~7月に改善と悪化の分岐点である50を下回り、与信成長率の減速、消費者信頼感指数の低下なども見受けられる。BIによる利下げ措置は、実体経済の悪化を防ぎ、成長を促進させようとする姿勢を示したものだといえる。追加利下げへの期待もあり、利下げ発表直後のインドネシア株式市場は堅調に推移していると捉えられる。なお、8月下旬からの反政府デモ後に海外からの信望が厚かったスリ・ムリヤニ氏が財務相を解任され、政府の財源確保に向けて異例ともいわれる政府-BI間の協定が発表されたことを受けて、中央銀行の独立性や財政規律の視点からの懸念が金融市場で高まる可能性が指摘されていることには留意しておきたい。

以上

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