キャピタル アセットマネジメント株式会社

堅調な拡大が続くベトナムの輸出入

情報提供資料

2025年10月21日

 ベトナム税関局によれば、2025年1~9月期の輸出入の合計額は前年同期比17.3%増の6,806.6億米ドルとなり、貿易収支は168.2億米ドルの黒字であった。米国からの相互関税発動前やWindows 10のサポート終了前の駆け込み需要が輸出の押し上げ要因に働いたかもしれないが、この勢いが続けば、通年で9,000億米ドルを超え、対外貿易額の過去最高記録の更新が見込まれる。
堅調な拡大が続くベトナムの輸出入
堅調な拡大が続くベトナムの輸出入
 2025年1~9月期の輸出額は3,487.4億米ドルに達した。品目別で上位はコンピュータ・電子製品・同部品(775億米ドル、前年同期比45.9%増)、携帯電話・同部品(436億米ドル、同4.1%増)、機械・設備(430億米ドル、同13.5%増)である。伝統的産業である繊維製品(同8.6%増)や履物(同7.4%増)も引き続き安定的に成長していた。
 一方、同期間の輸入額は同18.7%増の3,319.2億米ドルであった。
堅調な拡大が続くベトナムの輸出入

出所:ベトナム税関局データに基づきCPVN編集

 この成長は、海外からの直接投資(FDI)による技術分野への資金流入と、物流を含むインフラ整備や企業支援策などの政府による政策運営によって支えられ、ベトナムは競争力を維持しているといえよう。2025年第4四半期においても、数々の自由貿易協定の活用やグローバルな生産移転の流れを追い風に、引き続きポジティブな状況が見込まれる。なお、10月13日まで開催されていた政府党委員会(主要施策を議論する新委員会)の第1回大会に提出された社会経済の主要な計画では、ベトナムが2026~2030年に10%以上のGDP成長率(2025年2月の臨時国会でも示された通り)を目指す方針が政府から示された。このシナリオでは、公共投資の推進とともに輸出が目標達成のための重要な原動力となる。

以上

免責事項

当資料は、情報提供を目的として、キャピタル アセットマネジメント株式会社(CAM)が作成したもので、投資信託や個別銘柄の売買を推奨・勧誘するものではありません。また、CAMが運営する投資信託に当銘柄を組み入れることを示唆・保証するものではありません。当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。