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ベトナム新体制発足:書記長の国家主席兼任

情報提供資料

2026年4月13日

  ベトナム共産党第14期中央委員会第2回会議が3月23日から25日にハノイで開催された。同委員会では重要な文書・決議の内容を承認したうえで、4月開催の国会に向け、国家機関の幹部候補者の指名を含む人事案や社会経済計画などについて協議が行われた。

 4月6日には、第16期国会第1回会期がハノイで開会された。主要な議題は以下の通り。
 ■ 組織構造および人事選出・決定:国家主席・副主席、首相・副首相、国会議長・副議長、国家民族評議会議長、最高人民法院長官、最高人民検察院検事総長、会計検査院長などを選出する。
 ■ 立法活動:情報公開法の改正案を含む8つの法案および1つの決議案を、会期中(4月23日に閉会予定)に審議・可決する。
 ■ 社会経済:2026~2030年の社会経済計画、国家財政・公的債務および返済計画、中期の公共投資計画、予算、ならびに2026年初頭の社会経済計画を検討・承認する。

 4月6日から7日にかけて、国家主席、国会議長、首相が選出された。トー・ラム書記長が国家主席を兼任し、チャン・タイン・マン国会議長が再選、レ・ミン・フン氏が首相に選出された。トー・ラム書記長が国家主席を兼務するのは2024年に続いて2度目となる。前回は前書記長が急逝した直後で臨時的な措置であったが、今回は5年の任期を通じて兼務することとなった。これは、党と国家の最高権力を集中させることで、経済成長に向けた戦略的意思決定の迅速化、行政機構の効率化、そして新時代の即応を図る狙いと考えられる。
 レ・ミン・フン新首相は就任演説において、以下の5つの優先事項を強調した。
 ① 制度的枠組みの見直し:法規制の見直し・改正、行政手続きの簡素化、ボトルネックの解消、人的資源などのリソース解放を進め、合理的かつ効率的な行政機構を構築すること。

 高水準かつ持続可能な成長の両立:2026~2031年において、年平均10%以上のGDP成長率を達成すること。そのために、科学技術、イノベーション、デジタルトランスフォーメーション(DX)を最優先の突破口(原動力)とすること。同時に、インフラ整備、グリーントランスフォーメーション(GX)、気候変動対策に積極的に取り組むこと。

 ③ 教育・人材育成の改革:質の高い人材を育成し、有効活用にリソースを投入すること。国民医療の充実や、退役軍人・社会的弱者へのケアを含む社会保障政策を効果的に実施すること。

 ④ 文化と安全保障の強化:文化を国家の基盤および強みであると認識し、強固な国民安全保障・国防体制を構築すること。

 ⑤ 外交:独立の外交路線を堅持しつつ、経済外交と技術外交を推進し、国際社会における国家の地位向上を図ること。

ベトナム新体制発足:書記長の国家主席兼任

(出所)政府メディア

 以下は、ベトナム政府最高指導部新体制である。

ベトナム新体制発足:書記長の国家主席兼任

(注)年齢は、ベトナムで一般的な数え年による

(出所)政府メディア情報を基にCPVN作成


 レ・ミン・フン新首相は1997年に埼玉大学大学院政策科学研究科(現:政策研究大学院大学)の修士課程を修了した知日派であるとともに、ベトナム国家銀行(中央銀行)の総裁を歴任した経済通としても知られている。今回の首相人事により、不動産市場などへの無秩序な資金供給によるバブル形成を抑制しつつ、高付加価値セクターへの効率的に資金を投下する「質の高い成長戦略」の実行が期待される。これは、金融市場にとってもポジティブな要因に挙げられる。


 ベトナム2026年第1四半期の国内総生産(GDP)成長率は前年同期比7.83%に達したと推計されている。この数字は2025年第1四半期の7.07%を大幅に上回り、ベトナム経済の堅調さを印象付けている。中東情勢を巡るエネルギー市場の混乱やインフレ傾向などの懸念材料はあるものの、新体制の発足と一連の経済対策により、ベトナムの成長が期待される。

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