ベトナム統計総局(GSO)によれば、2025年第1四半期(Q1)の実質国内総生産(GDP)成長率は前年同期比6.93%となり、Q1成長率としては過去5年間で最大であった。同期間のGDPは3つの主要経済分野すべてにおいてバランスのとれた成長を示した。農林水産業、工業・建設業、サービス業は前年同期比でそれぞれ3.74%、7.42%、7.70%成長した。そのうち、工業・建設業に含まれる加工製造業が9.28%の成長率となり、経済全体の成長をけん引した。
■2025年Q1のマクロ経済状況は引き続き良好かつ安定
• ベトナムの外国直接投資(FDI)認可額は前年同期比34.7%増の109.8億米ドル、FDI実施額は同7.2%増の49.6億米ドルという速報値が示された。
• 商品の輸出入総額(速報)は同13.7%増の2,025.2億米ドルに達し、そのうち輸出と輸入はそれぞれ同10.6%と同17.0%増加した。貿易収支は速報で31.6億米ドルの黒字であった。
• 鉱工業生産指数(IIP)は同7.8%増であったと推定されている。
• 小売り・サービス売上高(推定値)は同9.9%増の1,708兆ドンであった。
米国がベトナムに対して課すことを表明していた相互関税の上乗せは90日間停止されたが、世界経済や為替を含む金融環境は非常に流動的で、ベトナムに短期的な影響を及ぼす可能性が考えられる。しかしながら、ベトナム政府は迅速に政策を発信して対応を示している。長期的なベトナムの成長性が揺らぐものではないと当社では考えている。